経営者のための退職金制度「小規模企業共済制度」が改正されました
小規模企業共済制度とは、小規模企業の個人事業主または会社等の役員の方が事業をやめたり退職した場合などの生活資金等をあらかじめ積み立てておくための共済制度です。いわば経営者の退職金制度といえます。
その小規模企業共済制度が、2016年(平成28年)4月1日に改正されました。
より多くの小規模企業の経営者の方が利用しやすくなったようです。
小規模企業共済の制度改正の概要
- 加入申込時に申込金(現金)が不要になった
- 増額申込時に申込金(現金)が不要になった
- 掛金月額の減額手続きが簡易になった
- 一定の共済事由について、受け取れる共済金額がアップした
- 共同経営者が独立後も共済契約を継続できるようになった
- 共済金を受け取れる遺族の範囲が広がった
- 契約者貸付制度が拡充された
1.加入申込時に申込金(現金)が不要になった
「共済契約の加入申込み」の手続き時に、申込金(現金)が必要なくなりました。
2.増額申込時に申込金(現金)が不要になった
「掛金月額増額の申込み」の手続き時に、申込金(現金)が不要になりました。
3.掛金月額の減額手続きが簡易になった
掛金月額の減額手続きをする際、「委託機関(金融機関等)による減額理由の確認」が不要になりました。
4.一定の共済事由について、受け取れる共済金額がアップした
次の3つの場合について共済事由が見直され、受け取れる共済金額が増加しました。
- 個人事業主が「配偶者又は子に事業の全部を譲渡した場合」の共済事由が変更されました。
- 共同経営者が「個人事業主の配偶者又は子への事業の全部譲渡に伴い、配偶者又は子へ事業(共同経営者の地位)の全部を譲渡した場合」の共済事由が変更されました。
- 会社等役員が、会社等役員を退任した場合で、「会社等役員の退任日において65歳以上」の場合の共済事由が変更されました。
5.共同経営者が独立後も共済契約を継続できるようになった
次の条件を満たした場合、共同経営者が独立後も共済契約を継続できるようになりました。
- 共同経営者が共同経営者の地位を退いた
- 従事していた個人事業の廃止をしていない
- 1年以内に新たに小規模企業の経営者となった
- 小規模共済制度の加入資格を満たしている
6.共済金を受け取れる遺族の範囲が広がった
共済契約者が亡くなった場合に共済金を受給できる遺族として、次の方が追加されました。
- 共済契約者の死亡時、主として契約者の収入によって生計を維持されていなかった『ひ孫』と『甥・姪』
7.契約者貸付制度が拡充された
- 貸付けの限度額の上限が引き上げられました。
- 「廃業準備貸付け」制度が創設されました。
小規模企業共済制度の改正について詳しくは、中小機構のホームページ(『平成28年4月からの小規模企業共済制度改正について』)をご覧ください。