会社を作る時のおおまかな流れについて

0.会社設立の流れとやるべきこと

会社を作る時のおおまかな流れを説明します。

①会社の名前や住所など、会社の重要な事項を決めます。

②個人の印鑑証明書を市区町村の役所で取得します。市区町村に印鑑登録をしていない場合は、まず印鑑登録をします。

③会社の名前が決まったら、会社の代表印(会社実印)を作ります。

④会社のホームページをco.jpドメインで持つ場合、ドメインの仮登録をします。

co.jpドメインは日本国内で登記された会社だけが登録できます。

⑤定款を作ります。

⑥公証役場で定款の認証を受けます。本店所在地の都道府県内の公証役場ならどこでもOKです。
この時、個人の印鑑証明書の1通を提出します。

⑦資本金を払い込みます。まだ会社の口座はないので、自分の口座に振込みます。

⑧登記申請に必要な書類を作ります。

⑨本店所在地を管轄する法務局に登記を申請します。この時、個人の印鑑証明書の1通を提出します。

管轄の法務局はインターネットで調べることができます。

登記を申請した日が会社の設立日になります。

⑩登記を申請して、書類に不備がなければ1~3週間程度で登記が完了します。法務局の状況により、この期間は変わります。

⑪登記が完了したら、登記事項証明書を取得します。会社の実印を法務局に登録し、印鑑カードと印鑑証明書を取得します。

登記事項証明書と印鑑証明書は登記完了後の手続きで必要です。必要な通数を調べておいて、その分だけ取得しましょう。

⑫会社名義の預金口座を開設します。

⑬税務署、年金事務所等に必要な届出を行ないます。

⑭ホームページ開設用にレンタルサーバーやインターネットサービスプロバイダなどと契約します。

⑮仮登録していたドメインを本登録します。

⑯ホームページを開設します。

個人の印鑑証明書を取る

①会社設立の書類を作るには個人の印鑑証明書は必須です。

発起人や取締役になる人は、定款や登記申請用の書類に、個人の実印を押さなければなりません。

出資する人、役員になる人が決まったら、その人の印鑑証明書を取得します。

登記申請用の書類を作る際、発起人や取締役の住所は、印鑑証明書の通りに記載しなければなりません。

②個人の実印とは?

個人の実印とは、住民登録している市区町村に登録されている印鑑のことを言います。印鑑登録をしていない場合は、まず実印の登録を済ませましょう。

印鑑登録するためには、実印を作ります。

③印鑑登録の方法

印鑑登録をするためには、住民登録をしている市区町村の役所に、印鑑と運転免許証などの本人確認のための書類を持参します。
代理人による登録もできますが、手続きが面倒です。

実印を登録したら、印鑑証明書を発行してもらいます。本人が窓口に出向いた場合は、すぐに印鑑証明書を発行して貰えます。代理人が窓口に出向いた場合は、少し面倒です。

④会社設立時に印鑑証明書が必要な人と有効期限

印鑑証明書が必要な人は、発起人と取締役です。発起人であり取締役でもある場合は、2通必要です。

印鑑証明書は、発行日から3カ月以内のものが必要です。

会社の基本事項を決める

会社を作ろうと言いだした人のことを発起人と言います。発起人は、会社の最初の株主です。

発起人の人数に制限はありません。発起人あなたひとりでも問題ありません。

発起人の最初の仕事は、定款を作ることです。

定款を作るためには、会社の名前(本店といいます)、住所(本店所在地)、会社の事業内容(事業目的といいます)、誰を役員にするかや資本金をいくらにするかなど、会社を設立するために重要な事項を決めなければなりません。

発起人が決めたことは、発起人決定書や発起人会議事録を作成して、そこに記載します。

資本金の集め方は、次の2種類があります。

1)発起設立:発起人だけが出資して会社を設立する方法
2)募集設立:発起人以外の人からも出資してもらう方法

あなたのように小さな会社を作る場合は、「発起設立」が一般的です。ここでは、発起設立を前提に説明していきます。

株式会社設立につき決める基本事項

株式会社設立にあたって決めるべき事項は、概ね以下のとおりです。

  1. 商号
  2. 目的(事業目的)
  3. 本店所在地
  4. 取締役・代表取締役・監査役
  5. 取締役会を設置するか否か
  6. 監査役を設置するか否か(取締役会を設置する場合は必ず監査役を設置しなければなりません)
  7. 取締役の任期
  8. 監査役の任期
  9. 資本金の額
  10. 設立に際して発行する株式の種類と株式数
    1株当たりの発行価額
    設立に際して発行する株式数
  11. 設立に際して出資される財産の最低額
  12. すべての株式に譲渡制限を付けるか
    譲渡を認める権限を持つ機関
  13. 発起人の氏名および引受株式数
  14. 会社の発行可能株式総数
  15. 事業年度(決算月)
  16. 公告の方法

商号(会社の名前)を決める

会社の名前を「商号」といいます。商号は自由に決めることができます。ただし、次のようなルールがあります。

会社名のルール1.

株式会社の場合、会社名の前か後ろに「株式会社」という文言を付けなければなりません。(株)のような省略記号を使うことはできません。

会社名のルール2.

商号に使える文字は、ひらがな、カタカナ、漢字やアルファベット、数字のほか、「&」(アンパサンド)「’」(アポストロフィー)「,」(コンマ)「-」(ハイフン)「.」(ピリオド)「・」(中点)の6種類の記号です。アルファベットだけや数字だけでも構いません。

会社名のルール3.

「〇〇事業部」「〇〇営業部」のように、会社の一部門を表わす言葉は認められません。

会社名のルール4.

銀行や信託銀行以外の会社は、「銀行」「信託」という文言は使えません。

会社名のルール5.

ソニーやトヨタなど有名な会社の名前は使えません。「不正競争防止法」という法律で禁止されています。

会社名は、これらの5つのルールを守り公序良俗に反していなければ、どのような会社名でもOKです。

ですが、注意すべきこともあります。

会社名の注意点1.

同じ住所に全く同じ商号の会社があると登記することができません。会社の登記を申請する前に、設立しようとする会社と同一商号で本店の所在場所も同一の会社が既に登記されていないかどうかを調査する必要があります(商号調査)と言います。

商号調査はオンライン登記情報検索サービスでできます。

会社名の注意点2.

最近では、独自ドメインを取って会社のホームページを持つのが当たり前になってきました。co.jpドメインを取れるような会社名にすることも考慮してください。

商号が決まったら、会社の代表印を早めに注文しましょう。

会社印を作る

会社印は通常次の3つを作ります。

①会社代表印(会社実印)
②銀行印
③角印

①会社代表印(会社実印)

会社代表印は登記申請と同時に会社の実印として法務局に登録します。
大きさが決められています。

②銀行印

銀行印は、登記が終わった後、銀行口座を開設する時に銀行に届け出る印鑑です。

二重丸の外側に会社名を、内側に「銀行之印」と彫るのが一般的です。

③角印

個人の認印のようなものです。

領収書や請求書などを発行する時、使用します。

④ゴム印

会社の名前や住所、代表者の名前、電話番号、FAX番号などを入れたゴム印も作っておくと便利です。

最近は、それぞれを単体で作っておき、必要なものを組み合わせて使うことができるものもあります。

会社印をインターネットで注文する場合は、印影を注文する前に確認できるとイメージをつかめるので安心できます。

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本店所在地(会社の住所)を決める

会社の住所を本店所在地と言います。

自宅を本店とすることもできます。賃貸物件に住んでいる場合は、「賃貸契約書」などで事業用として利用できるかどうか確認しておきましょう。

事業目的(会社の事業内容)を決める

事業目的とは、会社が行なう事業内容のことです。

会社はあらかじめ定款で定めた「目的」以外の事業をすることはできません。「目的」の数に上限はないので、将来やってみたいと思う事業があれば、最初から定款に書いておきましょう。

役員を決める

取締役や監査役のことを会社の「機関」と言います。取締役を何人にするか、取締役会を設置するか、監査役を設置するかなど会社の機関設計は、会社が自由に決めることができます。取締役は一人でも会社を作れます。

取締役会を設置するには、最低でも取締役が3人必要です。また監査役も必要です。つまり取締役会を設置するには、最低でも4人必要です。

取締役や監査役には任期があり、その任期も定款で定めます。取締役は原則2年、監査役は原則4年です。譲渡制限会社では取締役は最長10年です。

取締役を複数置く場合は、取締役の中から代表取締役を1人決めます。

資本金の額を決める

資本金の額は、次のようなことを考慮して決めます。

①開業に必要な設備資金や家賃、仕入代金などを支払うための運転資金を計算する
②事業を軌道に乗せるまでに、どの程度の資金が必要かを予測する
③資本金として用意するべき金額=①+②-金融機関などから借りられる金額

法律上は、資本金1円で会社を設立できます。現実的には1円で事業をスタートさせることはできません。

株式について決める

会社が発行するすべての株式に「譲渡制限」をつけます。

会社が発行するすべての株式に譲渡制限がついている会社を「株式譲渡制限会社」といいます。

株式譲渡制限会社には、決算書の注記が簡単、役員の任期を10年まで伸ばせるなどたくさんのメリットがあります。全ての株式に譲渡制限を付けておきましょう。

事業年度を決める

事業年度は、1年を超えなければ、何カ月でも会社が自由に決めることができます。

一般的には、1事業年度を12カ月にして、月末を決算日にします。決算には多くの時間を取られるので、繁忙期を避ける方がいいでしょう。

公告の方法を決める

株式会社は、決算の内容を「公告」しなければなりません。公告をする方法には次の3通りがあります。

  1. 官報
  2. 日刊新聞
  3. ホームページ

官報が一般的です。

株券の発行について決める

株券は発行しないのが原則です。株券を発行する場合は、その旨を定款で定めておかなければなりません。

原則通り、株券不発行でOKです。